そうですね、みんな揃うっていうのは嬉しいような、ちょっと恐ろしいような。なんだか、ゾワゾワしています。
学生時代のことを思い出すといろいろ無茶もやっていたし面白かったんだけど、あの頃の気分で再集合したら、もちろん自分も含めてですけど、きっとみんなグッと老けてんねんなって思うんだろうな、と。あの時はこんなことができてたのに、もうできなくなってるみたいなこともあるだろうと思うと、まだ何も始まってないうちから一抹の寂しさを感じたりもして。
特に、(橋本)じゅんさんにはもう何年も会ってませんから。コロナ禍は楽屋でお会いすることも叶わなかったから、テレビでお見かけしているだけなんですが少し瘦せてはる気もして、お元気かしら?って思ったりしています。とはいえ今回の舞台では轟天みたいなじゅんさんに会えるんだろうな、と楽しみに思っています。(橋本)さとしさんや(羽野)晶紀とは去年、舞台裏でお会いしていて「次は一緒やなぁ!」とか、「怖くない?」「怖いわぁ」って言うたりしてたから、まだホットな気持ちなんですよ。まさに学生時代を共にした人たちですからね。
ま、私は遅れて参加しているんですけど、それでも40年近く、にはなりますね。気づけば古田さんにも私にも、すっかり髪に白いものが……怖いですねえ!(笑)
台本は……言ったら怒られそうだけど比較的まともだと思いました(笑)。とはいえ、ここから稽古でいろいろぐちゃぐちゃにするんだろうなとも予想されますが。でも『忠臣蔵』自体、そもそもみんな大好き忠臣蔵じゃないですか。新感線だって、みんなが大好きな、弱いもんが頑張って敵をやっつけるという構造ですから、結果的にみんなが大好きな、スカッとできるものになればいいなと思います。
よく年末とかお正月にやってるな、というくらいで思い入れは特にないです。松の廊下で「殿中でござる~」っていう場面もちょろっとはできるんですかね、でも我々、超亜流の人間たちが超本場の新橋演舞場で年末に『忠臣蔵』をやるなんて、ある意味テロみたいなもんですよね(笑)。そもそもが“なんちゃって”をずっと続けてきている集団なんですから、ここまで許されてきたことはもうずっと許してほしい。年もとってきたんでさらに優しい気持ちで、パロディとかすべて冗談だと笑って許してほしいです。
1年以上、出ていませんでしたから。その間、重いかつらをつけたり、大きな衣裳を長時間着ることもなかったし、なんならマイクをつけない舞台もあったからとってもラクで。新感線用の特殊技能みたいな意味での体力が、ちょっと落ちている可能性がありますね。
どうでしょうね。でも、やっぱり“チャンピオンまつり”ですから、自分もチャンピオンの一人にならなきゃいけないんじゃないでしょうか。チャンピオンたちが集ってくるわけで、それぞれが果たして何のチャンピオンになるのかは先輩方の様子を見ながら、になりますね。
隙間産業ですから、空いてるところを刺していって生き残っていかないといけません。油断すると、こっちがヤられちゃいますからね。どうにかしてこのまつりを勝ち残りたい、そう思います。
ぜひ、頑張っていただきたいですね。私たち劇団員のほうはもはや、なるべく何かのチャンピオンになることだけを目指したいので。お芝居のほうはどうにかゲストの方々で、ちゃんと成立させてほしいなと考えています。
それはもうそうですよ。だからこそ、こんなにちゃんとした人たちにお願いしたんですから。きっと既に3人ともそのつもりでいてくれていると思います。この年寄りたちを支えなきゃな、と思ってくれているはず。本当に、ありがたいです!
バカがつくほど何かにこだわったりすることもないし、趣味もないんですよね。昔はカエルグッズを集めてましたが、もうやめちゃったし。あ、でもここ5年くらい、毎年アゲハチョウを羽化させているんです。ベランダに置いたレモンの木に幼虫がつくたび大きな虫かごに入れて部屋に移し、葉っぱを入れて食べさせて、さなぎになって無事に羽化してから外に放していて。多い時は5匹くらいいるんで、ブリーダーみたいですね。ちょっとした蝶々バカ、かもしれません。
“チャンピオンまつり”とついているんですから、ちゃんと“チャンピオンまつり”にしましょうね、と。誰かに怒られないくらいの、ギリギリのところをガンガン攻めていきましょう!!(笑)
(たかだ・しょうこ) 1967年7月28日生まれ 奈良県出身 大学在学中にスカウトされ、1987年『阿修羅城の瞳〜BLOOD GETS IN YOUR EYES』より劇団☆新感線に参加。95年に自身が立ち上げたプロデュースユニット「月影十番勝負」・「月影番外地」の公演も定期的に行い、2016年に『どどめ雪』で第51回紀伊國屋演劇賞個人賞を、25年には第32回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞した。劇団公演以外の近年の主な出演作品に、【舞台】『ベイジルタウンの女神』『幸子というんだほんとはね』(25)、『太鼓たたいて笛ふいて』『夫婦パラダイス〜街の灯はそこに〜』『デカローグ8 ある過去に関する物語』『カラカラ天気と五人の紳士』(24)、『アンチポデス』『THE PRICE』(22)、【映画】『四月になれば彼女は』(24)、『忍風戦隊ハリケンジャーでござる! シュシュッと20th Anniversary』『嘘八百 なにわ夢の陣』(23)、『アイ・アム まきもと』(22)、【ドラマ】『うちの弁護士は手がかかる』(23・CX)、『湯遊ワンダーランド』(23・TVO)、『量産型リコ~もう一人のプラモ女子の人生の組み立て記』(23・TX)、『拾われた男 Lost Man Found』(22・NHKBS)、『元彼の遺言状』(22・CX)などがある。