1985年『ヒデマロ2~銀河烈風斎の逆襲』より劇団☆新感線に参加。マッドな博士から薄幸の美男子まで幅広く担当し、現在の劇団の中枢を担う存在。また、人物の観察力が鋭く、イラストも得意なことから雑誌のコラムなどでもその多彩な一面を見せる。近年の主な出演作品は、【舞台】『フェイクキラーズ』(22)、『明治座で逆風の帆を張・る!!』『りぼん,うまれかわる』『今日もしんでるあいしてる』(21)、『オリエント急行殺人事件』『浦島さん』(20)、『麒麟にの・る』『BURAI2』『+GOLD FISH』(19)、【映画】『大怪獣のあとしまつ』(22)、『恐怖人形』(19)、『シン・ゴジラ』(16)、『これでいいのだ!!映画★赤塚不二夫』(11)、【ドラマ】『半沢直樹』(TBS・20)、『仮面ライダーウィザード』(EX・13)、『勇者ヨシヒコと悪霊の鍵』(TX・12)、『11人もいる!』(TBS・11)など。

粟根まこと
コメント

――『薔薇とサムライ2』をやると聞いた時の、粟根さんのお気持ちは。

『薔薇サム』の、『2』なんだ!と思いました。もともと“五右衛門シリーズ”の第2弾だった作品の、『2』というのは意外だったと同時に「なるほど」とも思いました。つまり五右衛門を脇にしてでも、天海祐希さんをセンターにということですよね。正式名称のタイトルの中に、『五右衛門ロック』という単語が出てきていないですし、ブランディングとしてもよく出来ていますよ。『薔薇サム』の一作目の評判も良かったですし、シリーズの中でも最もシンプルでスカッとできる舞台でしたし。あれの『2』を、この時代にやるのはとてもいいアイデアだなと思った次第です。

――前回の『薔薇サム』を振り返ると、どんな思い出がありますか。

12年前なんですよね。なんかもうちょっと経っている気もしていたんですが。“五右衛門シリーズ”の『1』の時は一応日本を舞台にしていて、南の島に行ったりもしますがアジアな空気だったのに、『2』ではいきなり中世ヨーロッパが舞台で、華やかで。簡単に言うと、白タイツやカボチャパンツをはいたり、くるくる縦ロールのカツラをかぶったりしていて、作品の印象自体もガラッとパラダイムシフトしたと言いますか。あと強く覚えているのは、巨大な船が出て来て、それにみんなが乗った状態でガンガン動かしていたこと。それと(橋本)じゅんさんのドレスショー、さらに(高田)聖子さんがマローネという、その後も活躍する印象深いキャラクターで初登場したこと。ちなみに今回、聖子さんがマローネ役ではないというのは衝撃でした。さらに衝撃なことに、ほぼマローネと同じような役なんですよ、名前も見た目も違うんですけれども(笑)。

――そして粟根さんが演じる役柄は。

前回、私はガファス将軍という役を演じたのですが、スペイン語でガファスって眼鏡という意味だったんですね。今回はケッペル・レンテスという役でして、レンテスというのがスペイン語でレンズという意味なんです。それから転用して眼鏡という意味もある。あくまで、眼鏡をかけさせたいんだなと思いました。なので、今日の撮影にも自分で持参した眼鏡を使って撮ってもらいました。実は台本をいただく前に、今回また森奈みはるさんがお出になるから、ひょっとしたらガファスはまだ生きていて、悪者役の生瀬さんと組んでアンヌに復讐する話になるのかも、なんて勝手に予想していたんです。違いましたね、新キャラでした(笑)。前作『神州無頼街』では私、粟根は出番もセリフも少なくてちょっとラクさせてもらっていましたが、『薔薇サム2』では最初から最後までちょこちょこ出番があって。セリフはないけどその場にはいるというシーンが多くて、大変そうだなと台本を読んで思いました。

――生瀬勝久さんとは、新感線では初共演ですね。

そうなんです、新感線では初めてなので本当にうれしいです。生瀬さんとの共演は2009年の『冬の絵空』以来なので、13年ぶりですか。だからこそ、ぜひ一緒に組んでワル役の腰ぎんちゃくをやりたかったんですけどね。敵対する側になっちゃいました(笑)。

――今回、ゲストは新鮮な顔ぶれが多いですよね。

まず石田ニコルさんと西垣匠くんが、どうやらゲーム好きらしいという情報が入りまして。この二人はレジスタンスとして共闘することになるんですが、私もその仲間なので空いた時間に三人でゲーム談義ができればいいなと思っています。あとはなんといっても濃い目の顔のイケメンさん、神尾楓珠くんですよね。今回はあのシャルル(2012年公演で浦井健治が演じた役)の弟の役ですから、兄に負けない濃さを出していただきたい。そしてまた同じエリザベッタ役のみはるさんとも共演できるのは楽しみですし、なんだか毎年会っているような友貴くんに至っては、今回はお母さんから逃げ回っているような怯えキャラで。でもここのところずっとおバカキャラでしたからね、たぶんまた演出で変な動きを付けられることになるんでしょう、と思いますけど。そんなこんなの、イキのいい感じのカンパニーですから、結果的に古田くん演じる五右衛門もあまり動かずに済むことになりそうな気配がありますね。そしてますます円熟する天海祐希さんには、もちろん今回も見せ場の多い役回りを演じていただきます。最後は気分よくスカッと終われるような、みなさんの期待を裏切らない作品となりますので、ぜひともこの秋、楽しみにしていただければ幸いです。

Profile1985年『ヒデマロ2~銀河烈風斎の逆襲』より劇団☆新感線に参加。マッドな博士から薄幸の美男子まで幅広く担当し、現在の劇団の中枢を担う存在。また、人物の観察力が鋭く、イラストも得意なことから雑誌のコラムなどでもその多彩な一面を見せる。近年の主な出演作品は、【舞台】『フェイクキラーズ』(22)、『明治座で逆風の帆を張・る!!』『りぼん,うまれかわる』『今日もしんでるあいしてる』(21)、『オリエント急行殺人事件』『浦島さん』(20)、『麒麟にの・る』『BURAI2』『+GOLD FISH』(19)、【映画】『大怪獣のあとしまつ』(22)、『恐怖人形』(19)、『シン・ゴジラ』(16)、『これでいいのだ!!映画★赤塚不二夫』(11)、【ドラマ】『半沢直樹』(TBS・20)、『仮面ライダーウィザード』(EX・13)、『勇者ヨシヒコと悪霊の鍵』(TX・12)、『11人もいる!』(TBS・11)など。