1988年宝塚歌劇団に入団し、同年『キス・ミー・ケイト』にて初舞台を踏む。92年に花組娘役トップスターに就任し95年に退団。以降、ミュージカルからストレートプレイまでジャンルを問わず舞台を中心に活動するほか、コンサートなどでも活躍している。主な出演作品は、【舞台】『ラ・カージュ・オ・フォール』『シェルブールの雨傘』『わかば』『弥次喜多道中』『SEMPO』『リア王』『紙屋町さくらホテル』『水戸黄門』『どてらい男』『Greatest Moment』【ドラマ】『ハンチョウ』『水戸黄門』など。劇団☆新感線には今回が 7度目の参加となり、『七芒星』『蛮幽鬼』『髑髏城の七人』では劇中の挿入歌で参加していた。

森奈みはる
コメント

――『薔薇とサムライ2』への出演のお話が来た時の様子を教えてください。

ものすごくうれしくて、「ヤッター!」って電話口で飛び跳ねながら、小躍りしました(笑)。だって、再演ならありますけど、続編だなんて。想像したこともなかったですし。

――確かに不思議ですよね。“五右衛門シリーズ”の第2弾が『薔薇とサムライ』だったのに、その『薔薇サム』の2なわけで。

本当ですよね! 私にとって、ここ最近で一番うれしかった出来事でした。

――台本を読まれた感想はいかがでしたか。

私ね、いつも中島かずきさんの台本を読む時、毎回ワクワク感が止まらないんです。今回も「どんななんだろう~」と思いながら読みましたけれど、やっぱりみんなキャラが濃い!(笑) それと、この12年の間に、みんなすごくたくましく人生を送ってきたんだろうな、と思いました。そして今回は続編とはいえ、初登場のキャラクターも大勢いて。人生と同じですね、次々と新たな出会いもあるわけです。ですから懐かしい方々と楽しく作りながら、そして初めましての方々とはまた1から新しいものを作っていくような感覚で臨めたらと思っています。

――キャラクターも演者と共に、12年の時間を経ていて。だからこそ納得できる変化もあり。

そうですよね。一番驚いたのが、私が演じるエリザベッタが今回は子持ちになっていたこと。それも、かなり大きな子供がいたのですよ。だけど前作の『薔薇サム』の時に、旦那様にあんな裏切られ方をして殴り飛ばしていたはずなのに、あの時すでに子供がいたのかなあ?  だって、あのあとで子供を作るとは思えなくないですか(笑)。でなければ…誰の子???(笑)

――でも、かなり頼りがいがありそうな息子さんですね。

あんなに素晴らしい子が育っちゃって。親がしっかりしていないからかもしれないですけれど(笑)。私、前回もしょっちゅう舞台袖で、粟根さんにまったく関係ない話をしては「えっとその話は、あとでいい?」って。(笑)私、ギリギリまでしゃべってても大丈夫なタイプなんですよね。

――劇団☆新感線には、7作品目。挿入歌3作品の出演になりますが、改めて新感線の劇団としての魅力とは。

とにかく居心地がいいんです。劇団員の方たちの受け入れ態勢が素晴らしくて、初めて出た時から何の違和感もなくスッと入りこんでいけるので。だからもう今となっては、家族みたいです。

――そして天海さんとの共演についてはいかがですか。

天海さんは宝塚歌劇団では私の一期上で、本来なら音楽学校、予科本科の最も怖いであろう先輩にあたるんですけど、劇団の時は組が違ったのであまりご一緒することがなくて、卒業したあとに再会した場が新感線の舞台だったんですね。だからなんだか不思議なんですけど、宝塚の先輩というより、素敵な女優さんであり、おねえちゃんみたいな感覚があるんです。

――“家族”感覚の新感線が間に入ることで、そのような絆が(笑)。

そうなんです(笑)。何か私がしでかした時に天海さんが代わりにホントすみません!って謝ってくださったりしたこともありました。(反省しつつ嬉しかったり(笑)怒られますね)

――その素敵なお姉さんとまたご一緒できるわけで。

そうなんです、だからものすごくうれしいですし、ものすごく楽しみです。

――再びエリザベッタを演じるにあたっては、どんな想いがありますか。

キャラクター的にはエリザベッタは真っ直ぐな人だと思うんですね。だまされやすかったり、信じやすかったり、でも正義感は強い。今回も、そこを貫いていくんだろうなと思います。前回はエリザベッタは天海さん演じるアンヌの教育係だったので、これはちょっとした作家のかずきさんの陰謀だと思ったんですけど(笑)。今回はエリザベッタも年を重ねて、人格違うくらいしっかりしていて、助け合っているような関係になっている様子だったので、その変化も面白そうですね。

――大事な、バディのような関係にも見えます。

できんのか、私に?とも思いますけど(笑)。でもきっとアンヌのことは尊敬、崇拝しているんだろうなとも思いますね。頑張ります。

――そして、五右衛門演じる古田さんに関しては。

後ろ向きで笑わせるのやめてほしいです(笑) お客さんにわかるアドリブではなくて、お客さんが観ていない位置で何かやってくるんですよ。私、ゲラなのでつい笑ってしまって。 あと関係ないけど、私の名前の書いてあるプリンを食べるのやめてください(笑) だけど太っ腹な新太さんとご一緒出来るのも久しぶりなので、とても楽しみです。

――ではお客様へ、お誘いメッセージをお願いします。

今回は“五右衛門シリーズ”ということですから、大の大人が真面目におバカさんなことをしつつも、心に染みる最高に楽しめるエンターテインメント作品になると思います。世の中、悲しく大変なニュースばかりではありますが、お芝居を観ている間はすべて忘れて、たくさん笑っていただけたら! ぜひ劇場へ、お越しください!!

Profile1988年宝塚歌劇団に入団し、同年『キス・ミー・ケイト』にて初舞台を踏む。92年に花組娘役トップスターに就任し95年に退団。以降、ミュージカルからストレートプレイまでジャンルを問わず舞台を中心に活動するほか、コンサートなどでも活躍している。主な出演作品は、【舞台】『ラ・カージュ・オ・フォール』『シェルブールの雨傘』『わかば』『弥次喜多道中』『SEMPO』『リア王』『紙屋町さくらホテル』『水戸黄門』『どてらい男』『Greatest Moment』【ドラマ】『ハンチョウ』『水戸黄門』など。劇団☆新感線には今回が 7度目の参加となり、『七芒星』『蛮幽鬼』『髑髏城の七人』では劇中の挿入歌で参加していた。