大学在学中にスカウトされ、1987年『阿修羅城の瞳』より劇団☆新感線に参加。1995年に自身が立ち上げたプロデュースユニット「月影十番勝負」・「月影番外地」の公演も定期的に行い、16年には『どどめ雪』で第51回紀伊國国屋演劇賞個人賞を受賞した。近年の主な出演作品は、【舞台】『アンチポデス』、『THE PRICE』(22)、『ベイジルタウンの女神』(20)、『ざ・びぎにんぐ・おぶ・らぶ』(19)、『森から来たカーニバル』『夢の裂け目』『江戸は燃えているか』(18)、『空中キャバレー2017』『俺節』(17)、【映画】『アイ・アム まきもと』(22)、『罪の声』『死神遣いの事件帖-傀儡夜曲-』(20)、『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(18)、『過激派オペラ』(16)、【ドラマ】『拾われた男』(NHKBSプレミアム・22)、『元彼の遺言状』(CX・22)、『結婚できないにはワケがある。』(ABC・21)、『エール』(NHK・20)など。

高田聖子
コメント

――『薔薇とサムライ2』の企画を聞いた時、高田さんはどう思われましたか。

「賑やかそうでいいんじゃないの」、と思いました(笑)。五右衛門と姐さん(天海)が出るというだけで、『薔薇とサムライ』の最初の公演を知っていようが知っていまいが、『1』であろうが『2』であろうが、とにかく祭りであることには違いないでしょうから。間違いなく賑やかでしょうし、いいと思います!

――台本は読まれましたか。

ゆうべ読みましたが、登場人物の表を横に置きながらも「え? この人、誰だっけ?」って、なかなか名前が覚えられなくて(笑)。前回も出ていた人と、そうじゃない人が出てきますしね。ちなみに私は、そうじゃない人のほうですが。

――高田さんは今回、マリア・グランデ女王役ですね。マローネ役でなかったことが意外でした。

私も「別にマローネでも良かったかも?」なんて思いながら(笑)。ちょっと可愛げがなくなくなりましたかね。

――ひとまわり悪者感がアップして、大物になった気もしますが。

そうですね。マローネはなんとも小物感があって、どうしても敵わないダメな感じを楽しんでいるのかなとも思っていたんですけど。今度は、正しいことと良くないことの考え方が違う人にも思えます。だけど今回もぜひ、バカバカしくやられたい、と思いました(笑)。せっかくの“五右衛門シリーズ”なので、五右衛門さんとアンヌからヒドい辱めを受けたい、と私は今、思っています(笑)。どこまでコンプライアンス的に問題があるか、ということもありそうですが、これまでも台本には書かれていない、ヒドい仕打ちみたいなことをクライマックスにはやられてきましたから。「今回も結局、マローネと変わらへんやん!」って、笑って欲しいですね。

――前回の『薔薇サム』で、記憶に残っている思い出というと。

振り返ると、自分は元気だったなーと思います。まさに、マローネという人が生まれ出てきた作品でしたよね。

――そうですね、マローネ初登場でした。その後“五右衛門シリーズ”に連続して登場する人気キャラクターに。

あの時は全体的にイケイケなムードだった気がします。世の中的にも、私たちも。衣裳ひとつとっても、それまでになく華やかでしたね。若々しかった。特に、ステージに登場する瞬間が一番ワクワクしました、「出るぞー!」って感覚で。

――藤木孝さんと右近健一さんと一緒に。

そう、三人で。いつも出る直前に藤木先生が「悪の華を咲かせましょうぞ!」と言って、それに合わせて「行きましょう!」と言ってから出て行くんです。右近くんと私は、藤木先生の愛弟子なんですよ(笑)。

――前作と同じ役は、五右衛門とアンヌのほかにエリザベッタもいますね。

エリザベッタはきっと12年経っても相変わらずでしょうね、森奈さんご自身が変わっていませんから。

――森奈さんは、子持ちの役になっていて驚かれていましたが。

確かにね。そう、今回は子供世代が活躍しますから。私も子持ちの役ですし。

――その息子役が、早乙女友貴さんです。親子を演じるにあたっては。

年齢的にも納得ですよ、そりゃそうだと思います。だけど友貴くん、新感線に出てくれる時はいつもバカな役だから、そろそろバカは嫌だと怒り出すんじゃないかとハラハラしています。

――初参加の方が多いカンパニーではありますね。

友貴くん以外の若者たちは、お初な方ばかりですね。このフレッシュな方々をいじめてみたかったですが、マリア的にはそんな場面はあまりなさそうです。せっかくだから、ちょっとツンツンとつっこみたかったです。

――高田さん的に、今回特に楽しみなことは。

姐さんと、敵役というだけではない、素敵な絡みがありそうなんですよ。なんだか緊張しちゃう(笑)。きっと、みなさんも「まあ」となっていただけるのではないでしょうか。そして、古田さんはいまや、いるだけでいいみたいな存在になっていると思うので。「生古田新太だ!」と、それだけで盛り上がれるから、もうどんどん力を抜いていってほしいです。慌てていろんなことしないでも、ゆっくり脱ぐ、とか、ゆっくり支度する、でいい。その姿にみなさんが「ヨッ!」と掛け声のひとつでもかけたくなるような、がんばらないタイトルロールとして舞台に居ていただければ。ゆっくり着替えていると「ガンバレッ!」と声がかかって、それに「うるせー!」と応えたり、そんな風になったらそれはとても幸せなことなんじゃないかな、我々も安心して後を追いますので。

Profile大学在学中にスカウトされ、1987年『阿修羅城の瞳』より劇団☆新感線に参加。1995年に自身が立ち上げたプロデュースユニット「月影十番勝負」・「月影番外地」の公演も定期的に行い、16年には『どどめ雪』で第51回紀伊國国屋演劇賞個人賞を受賞した。近年の主な出演作品は、【舞台】『アンチポデス』、『THE PRICE』(22)、『ベイジルタウンの女神』(20)、『ざ・びぎにんぐ・おぶ・らぶ』(19)、『森から来たカーニバル』『夢の裂け目』『江戸は燃えているか』(18)、『空中キャバレー2017』『俺節』(17)、【映画】『アイ・アム まきもと』(22)、『罪の声』『死神遣いの事件帖-傀儡夜曲-』(20)、『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(18)、『過激派オペラ』(16)、【ドラマ】『拾われた男』(NHKBSプレミアム・22)、『元彼の遺言状』(CX・22)、『結婚できないにはワケがある。』(ABC・21)、『エール』(NHK・20)など。