1987年、演劇企画集団「THE・ガジラ」に旗揚げから参加。俳優のみならず演出家としての活躍もめざましく、2006年「スラブ・ボーイズ」で初演出。演出では、「スラブ・ボーイズ」(06)、「広い世界のほとりに」(08)、「いま、ここにある武器」「青」(16)で読売演劇大賞優秀演出家賞受賞、俳優としては、「TOPDOG/UNDERDOG」(11)で読売演劇大賞優男優賞受賞、「THE OTHER SIDE/線のむこう側」「胎内」(04)で、紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞。近年の主な出演作に、【ドラマ】「おかえりモネ」「おちょやん」(21・NHK)、「エール」(20・NHK)、「さくらの親子丼」(20・CX)【映画】「空母いぶき」(19)、「ピンクとグレー」「岸辺の旅」(16)、【舞台】「BLUE/ORANGE」出演(19)、「怒りをこめてふり返れ」演出(17)、「パーマ屋スミレ」出演(16)。劇団☆新感線には本作で5作目の参加となる。

千葉哲也
コメント

新感線に出るのはだいたい四年に一度くらいのサイクルだから、オリンピック役者みたいなものですよ。劇団公演に限れば五回目ですから、もはや立派な劇団員でしょう。チラシの名前の順番にしても、楽屋にしても大抵劇団員と一緒ですし。それなのに差し入れの弁当だけは入れてくれと言われるんですよ、おかしいですね……(笑)。

なにしろ今回は久しぶりのフルスペックな公演ですし、もちろん呼ばれたことはうれしいですが、まず思ったのは「大丈夫かな」ってこと。だいたい新感線って公演中に季節が二つ過ぎていくじゃないですか。今回も夏に稽古が始まり、本番が終わる頃には秋というより初冬ですよ。その長期間、ちゃんと最後まで無事に過ごせるだろうか、と。これまでなんとかかいくぐって来ましたが、とりあえず千穐楽まで健康でいたいですからね。ひたすら対策して、なんとか最後までみんなで乗り切りたいものです。

今回は陰陽師の話で妖狐が出てくると聞いたので、自分はきっとまた悪いほうのキツネの役になるのかなと予想していたら、キツネではなくくたびれた陰陽師らしいです。モフモフした亀仙人だと思ってがんばります。モフモフのキャラクターなら、それほど激しいアクションなんてなさそうですよね。いや、決して殺陣をやりたくないわけではないです、殺陣は好きですしできないわけでもないですし。ただ公演後にものすごくクールダウンしないと、次の日にどんどん疲労がたまってしまう。リカバリーが遅くなっているんですよね。だからほどよい感じに、ハッ!ホッ!と気を飛ばしたら周りが上手に吹っ飛んでくれるような、省エネでキレのある動きを希望します(笑)。

今までは新感線に出る時ってどちらかというと常にくたびれてて、だけどちょっと裏で何か企んでいるような役だったじゃないですか。それが今回は違うみたいなので、モフモフしたものをまとってもいいんだ、俺?って新鮮に思っています。『IZO』の時はものすごく真面目だったし、『蛮幽鬼』ではものすごい悪役で、狸穴次郎衛門(『髑髏城の七人』Season月<下弦の月>)はふざけてはいるけれどもいい人だったでしょ。今回は完全にモフモフをまとった亀仙人、しかもヴィジュアル撮影では肩に妖精を乗せているんですから(笑)。俺、人相が悪いからコワモテに思われてふだんも悪い人の役が多いんですけど、実際はおしゃべりで根はオバチャンなんでね。いまや、着ぐるみみたいなキャラクターに憧れを持っていたりもするんですよ。だから今回のちっちゃい妖精がついたモフモフさんな役はちょっとうれしい。いや、別にそんな希望を出した覚えはないんですけどね(笑)。

キツネに化かされたと思ったエピソード
中学時代、バレンタインデーの日の掃除の時間に友達が「千葉の机からこんなものが!」ってチョコ入りの封筒を見つけたんです。名前はなく「遅れてごめんね」とだけ書いてあった。友達が騙そうとしてるんだと思っていたら、帰り際にクラスのマドンナからすれ違いざまに会釈されて。あれっ騙されてないかも?ってことがありました。真相はいまだに不明です(笑)。

Profile 1987年、演劇企画集団「THE・ガジラ」に旗揚げから参加。俳優のみならず演出家としての活躍もめざましく、2006年「スラブ・ボーイズ」で初演出。演出では、「スラブ・ボーイズ」(06)、「広い世界のほとりに」(08)、「いま、ここにある武器」「青」(16)で読売演劇大賞優秀演出家賞受賞、俳優としては、「TOPDOG/UNDERDOG」(11)で読売演劇大賞優男優賞受賞、「THE OTHER SIDE/線のむこう側」「胎内」(04)で、紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞。近年の主な出演作に、【ドラマ】「おかえりモネ」「おちょやん」(21・NHK)、「エール」(20・NHK)、「さくらの親子丼」(20・CX)【映画】「空母いぶき」(19)、「ピンクとグレー」「岸辺の旅」(16)、【舞台】「BLUE/ORANGE」出演(19)、「怒りをこめてふり返れ」演出(17)、「パーマ屋スミレ」出演(16)。劇団☆新感線には本作で5作目の参加となる。