いのうえひでのりが語る!“もうひとつの”いのうえ歌舞伎、“いのうえ歌舞伎≪亞≫alternative”とは……?
いのうえひでのりが語る!“もうひとつの”いのうえ歌舞伎、“いのうえ歌舞伎≪亞≫alternative”とは……?

作品紹介/INTRODUCTION

『乱鶯』以来二度目の倉持裕脚本を得て、旗揚げ39周年にしてここに“もうひとつ(alternative)”の“いのうえ歌舞伎”が誕生!

旗揚げ39周年にあたる2019年、劇団☆新感線はお客様や応援してくださる皆様への感謝の気持ちをいつも以上にたっぷり込めた“39サンキュー興行”を絶賛敢行中! 3月から4月にかけて大阪、金沢、松本公演を行った“春公演”『偽義経冥界歌』に続いての“夏秋公演”は、2016年の『乱鶯』以来の倉持裕脚本作品『けむりの軍団』です。7~8月は東京、9月は福岡、10月は大阪で上演いたします。

今回は新たに、いのうえ歌舞伎《亞》alternativeと銘打ち、これまでとはまたひと味違った王道路線の娯楽時代劇に仕上げます。『乱鶯』で一度新感線に新作時代劇を書き下ろした経験から、すっかり劇団員たちの特徴を把握した倉持。その上で改めてあて書きしたこともあり、登場人物のキャラクターがそれぞれ立っていて実に魅力的、しかも物語が進むにつれてその人となりも多面的に丁寧に描かれていきます。倉持作品ならではの会話の妙に、ダイナミックさと緻密さを兼ね備えますます進化するいのうえひでのりの演出が加わり、さらに年齢相応の渋みを増し、もう一段階、新たな領域へと歩みを進めます。

舞台は戦国時代。チャンバラあり、歌あり、笑いありの痛快爽快人情時代劇

戦国時代の真っ只中、政略結婚を解消して大名家を飛び出してきたお姫様。奇策を使い追っ手の目をくらませながら彼女を守って旅路を行くのは、人生も後半に差し掛かった浪人二人と、やたら威勢のいい一本気な若き家臣。彼らに襲い掛かるのは、剣の腕は天下一品だが妙に口下手な侍大将に、大名家の権力を握るド迫力の女ボスと、本当は大名家と敵対していたはずの寺の怪しき住職。
このように、さまざまなシチュエーション、キャラクター設定の端々に名作映画へのオマージュを散りばめながら、コミカルにスピーディーに、コミカルにスピーディーに、そしてあっと驚く意外な展開へと物語は転がっていきます。劇団☆新感線の公演ならではのオモシロ要素も盛りだくさん、カタルシスもたっぷり! 観劇後は爽快気分で劇場を後にできること必至!! ハイレベルなアクション、チャンバラ、歌や踊りなど、隙間なく見どころを盛り込んだ徹底したエンターテインメントを目指します。

頭がキレる軍配士・古田とズル賢い謎の浪人・成志がバディとなって珍道中? 新感線経験者の“準劇団員”と劇団員たちが敵味方入り乱れての大騒動!!

主人公の浪人<真中十兵衛(まなかじゅうべえ)>を演じるのは芸能生活が今年で35年目となる劇団の看板俳優、 古田新太 。いまだにプライドはあるものの、なかなか思惑通りにいかない人生に半分諦めの境地になりつつも、それでもやはり自らの才能を信じている男、十兵衛。常に迷いや揺れがあることも感じさせる、とても人間臭いこの男を古田がいかに演じるか、ご期待ください。

大名・目良家の家臣で侍大将を務める<飛沢莉左衛門(とびさわりざえもん)>には新感線には6度目の登場となる、もはやすっかり“準劇団員”の 早乙女太一 。古田とはこれが待望の舞台初共演となり、その対決シーンも大きな見どころのひとつです。誰にも真似できない超絶技巧の殺陣を披露するだけでなく、今回は“口下手”という一風変わった役柄をどう表現するかも興味津々です。

『髑髏城の七人』Season花(2017年)の沙霧役、そして『髑髏城の七人』Season月<上弦の月>(2017~2018年)の兵庫役で新感線に初参加した 清野菜名須賀健太 はそれぞれ、目良家の正室であり厚見家当主の妹である<紗々姫(ささひめ)>と、その姫を守る厚見家家臣<雨森源七(あまもりげんしち)>に扮します。アクションもお手のものの清野は、可愛さと凛々しさとを合わせ技で発揮して男まさりの姫君を元気に演じてくれるはず。身体のキレと演技力、そして新感線愛ではもはや誰にも負けない須賀は前回に引き続き、その愛されキャラでカンパニーのムードメーカーにもなってくれそうです。

目良家当主・則治の母で最も力を持つ女ボス的な存在の<嵐蔵院(らんぞういん)>を演じる 高田聖子 と、いかにも胡散臭さが滲み出る怪しげな夭願寺の住職<残照(ざんしょう)>を演じる 粟根まこと を筆頭に、お馴染みの劇団員たちもほぼほぼフルメンバー状態で揃って登場いたします。それぞれの個性を活かしたキャラクターに、きっちり見せ場も用意されているので劇団ファンはご安心を。

そして、口の巧さと調子の良さで戦国の世を生き延びてきたかのような浪人<美山輝親(みやまてるちか)>に扮するは、新感線にはなんと13回目の出演となる 池田成志 。風変わりで、奇人とも言うべきその言動の裏には一体どんな人生、人となりが隠されているのか、いないのか。この謎めいた強烈なキャラを演じられるのは、おそらく百戦錬磨のキャリアを持つ池田のみ! これまた新たな池田のハマリ役の誕生となりそうです、ご注目ください。

敵だと思っていた相手が実は敵ではなかったり、味方だと思わせている者が本当の敵だったり、敵なんて最初からいなかったり……。トリッキーな作戦を次々と考え出すキレ者の軍配士・十兵衛は、果たしてこの一世一代の戦をどうコントロールするのでしょうか!? 

ひねりの効いた脚本、凝りまくった演出に、時代劇愛とお客様への感謝の気持ちをぎゅっと詰め込んでお贈りする劇団☆新感線39サンキュー興行・夏秋公演 いのうえ歌舞伎《亞》alternative『けむりの軍団』、どうぞお楽しみに!!