――『けむりの軍団』のポイントとなる役は？
古田
成志さんの美山輝親でしょ。成志さんが上手く演ると面白くなる。でもあまり上手く演らないだろうから、あまり面白くはないだろうね（笑）。
粟根
古田さんと成志さんは出ずっぱりですから大変でしょうね。二人がドライブすると、ストーリーが加速します。
古田
おいらは健太が演じる雨森源七のシーンが好き。へぼいのに姫を守る。
粟根
それを清野さん演じる紗々姫がたしなめる。貴方の命が100あっても足りないのよって。
須賀
源七は家臣ですから、まっすぐ演じることが面白さに繋がる役かと。ちゃんとエネルギーを使わないと！
古田
まず健太の稽古が楽しみだよ。
須賀
脚本を読んで、どのシーンも俺の稽古ばかりじゃん！って思いました（爆笑）。
古田
いのうえさんが全部やるんだよ。それを健太が完コピする。
須賀
兵庫の時は1つの振りで2、3時間かかりましたから、今回はどうなるか……。
古田
楽しみだよね。あ、菜名は健太につきあわなきゃいけないのか（笑）。
須賀
（清野に）お時間を頂戴することだけはお伝えしておかないと。
粟根
1000本ノックね。
須賀
せめて100本ぐらいに収めたいです。
古田
健太に比べて、太一が演じる飛沢莉左衛門はカッコいいよ。侍大将。でもちょっとずるっこ。
高田
ちょっと口下手。
粟根
喋るだけで面白い。
古田
強い役だから安心。弱い役は疲れるんだよ。
須賀
……僕ですね。
全員
（爆笑）
若い分、汗をかいて、全力投球で取り組みます。(須賀)
――聖子さんと粟根さんの役どころは？
粟根
戦国時代に目良家と厚見家という2つの大名家があり、領土争いをしています。その目良家の長・嵐蔵院が聖子さん。厚見家の紗々姫が清野さん。第三勢力に当たる一揆衆のボス・残照が私。この3つが対立していて、私と聖子さんは敵対したり、味方になったり、離れたり。
高田
水面下でゴニョゴニョ裏工作する役割です。
古田
この3つの勢力を成志さんが翻弄する。おいらは翻弄される。
高田
今回は、大人っぽい稽古場になるんじゃないかと。心穏やかに、じっくり稽古できそうな気がします。
古田
じゅんさんがいないから（笑）。
粟根
河野まさとさんが目良家の当主・則治役。台本で読むとすごく面白い役なので、どうなるのか見たいです。
高田
則治は私の息子役。いつも通りにやるのかどうか。
古田
河野さんは河野さん（笑）。
高田
いのうえさんは河野さんのあの感じが大好きですから。
劇団員もお客さんも年齢が上がり、上演時間が長いとおトイレ問題も大変。みんなドキドキしながらお芝居していると思います。(高田)
――さて、古田さんの35周年を祝して、この機会に古田さんに聞きたいことはありますか。
清野
35年間という長い年月、気持ち的に大変な時もあったと思いますが、何を芯に持って続けられてきたのか、すごく気になります。
古田
おいらはチ○コ・ウ○コミュージカルがやりたいの。入団して5年目の頃、それを創るためには新感線が一番近いんじゃないかって思っちゃったのね。大学を卒業したら、劇団を辞めて東京に出るつもりだったけど、ちょっと待てよ？東京の劇団にもチラチラ出だしていたけど、新感線のほうがスキルがあるぞ！って。つまり、歌、踊り、アクションがある、楽しいチ○コ・ウ○コミュージカルを創るための集団として、うちの劇団はある。まだできない、まだできないと思って35年が経っちゃった。一般的に劇団が解散するのは、目指したものが完成するから。その点、新感線はまだ完成形が見えていない。今では菜名や太一、健太などゲストを含めて、どんどんスキルが上がっているから、もうちょっとなんだけど。
清野
すごいですね。そこまで追求し続けて。
古田
例えば、「けむりの軍団」なら1時間40分から45分で上演できたら完成形だと思う。
高田
古田さんの話は劇団員みんなが思っていることです。劇団員もお客さんも年齢が上がり、上演時間が長いとおトイレ問題も大変。みんなドキドキしながらお芝居していると思います。
古田
そのうち新感線に出る時、見る時はオムツ必須になる。
高田
古田先輩は昔からよくおもらしなさっていましたが。
古田
おいらは芝居を観に行くと、途中でウ○コ行くから。トイレのモニターで聞いていて、ウワァーっと受けたりすると、クソッ！と思う（笑）。
粟根
今回、太一くんと須賀くんは古田さんと舞台上で初共演。ぜひ昼公演での古田くんの酒臭さを体験してください。すぐ近くで喋ると大抵息が酒臭いです。
高田
不思議なことに、酒飲みの匂いじゃなくて、お酒そのものの匂いがするの。
古田
病院のアルコールの匂い。(アゴを指して)ここまで来てるから（笑）。多分、今回も3回ぐらいは1滴も汗をかかない時があるはず。
早乙女・須賀
えーっ？
清野
どういう意味ですか？
古田
脱水症状（笑）。五右衛門の扮装で1滴も汗をかかなかったことがあったくらい。
今回はゆっくり、古田くんの掌の上で一緒に遊べたらいいですね。(粟根)
――須賀さん、古田さんに質問は？
須賀
好きなお酒の種類を教えてください。
早乙女
それ聞いてどうするの？
古田
好きな色でもいいよ（笑）。
須賀
地方公演もありますし、ご一緒する機会が多いので伺えたら。
古田
麦焼酎があれば機嫌がいい。
高田
古田先輩といえば、麦焼酎とレンコン。
古田
瀬戸内産のレモンを使ったレンコンチップスが美味しい。以前、つっつん（堤真一さん）のお母さんがちらし寿司を持ってきてくれて、上に酢レンコンが敷いてあったの。おいら、その酢レンコンばかり食ってたら、天海祐希が「レンコンばっかり、食べるんじゃないーっ」とゲキ怒ったことがある（笑）。
早乙女
僕、稽古場で古田さんと一緒の時はいろいろと教えていただきたいです。
古田
基本、ギャグのことしか考えてないよ。あ、莉左衛門の口下手なところ、稽古場で一緒になったら、こうしてみ？って言うかもしれない。
早乙女
間とか、めちゃくちゃ難しそうですよね。そこで一緒にいてくれたらいいなぁ。
古田
この単語とこの単語は一連で行ったほうが伝わる、とかね。オモシロのことしかほぼ考えてない。かっこいいのはみんなできるからさ。