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INTERVIEW

OFFICIAL COMMENT

――久しぶりの『髑髏城の七人』、今回は“LAST STAND”と銘打たれておりますが。

2025年にやらなかったので「あ、もうやらないんだな」と思っていました。前回の“花鳥風月極”は2017年から2018年にやっていたので、上演期間が長かった分、1年遅くして帳尻を合わせたんですかね。そして“LAST STAND”、最後らしいですけど劇団☆新感線じゃなく別の団体でやるとか、いのうえさんが劇団員を使わずにプロデュース公演でやればいいってことですよね。

――そういう認識ですか(笑)。今回の台本の感想はいかがでしたか。

原点に立ち戻った感があると、読みながら思いました。2011年の『ワカドクロ』をベースにしつつ、17~18年の5シーズンで変えたり足したりした中で良かった部分を採用したりしていて。おそらくこれぞ決定版という状態の戯曲になるのではないでしょうか。私の場合は誰かしらの声で聞こえる状態で読んでいるし、ほとんどの台詞に見覚えがあるんですね。練って煮詰めていったことで、どの瞬間を切り取ってもかっこいい台詞の応酬で見せ場だらけ、かずき節が全開となっております。だから新感線を初めてご覧になる今回の初参加客演陣のファンの方々も、怖れずに来ていただければ、よりわかりやすく痛快な『髑髏城』を楽しんでいただけると思います。

――初参加と、お馴染みの方とがいいバランスで揃いました。

お馴染みの方では、何度も新感線に出てくれている早乙女兄弟がついに捨之介、天魔王として戦います。太一くんは過去に蘭兵衛や天魔王で出ていただいていましたが、友貴くんは今回初めての『髑髏城』なので気合が入っていそうですね。しかも天魔王役で兄貴と戦うという、この構図がそのまま“天の男”と“地の男”が戦うという戯曲上の構造に重なりますから、そこは最大の見どころかと。そして柚香光さんという超強力な元宝塚男役スターが、極楽太夫という女性役で来ていただけるというのも個人的に注目しております。昨年の『紅鬼物語』では全力で紅子という役を演じ切っている姿を間近で見ておりましたから。さらに、ようやく山口馬木也さんに新感線で侍役をやっていただける日が来ました。前回は『メタルマクベス』disc1(2018年)に出ていただきましたが、今回は純時代劇、しかも狸穴二郎衛門役を担っていただけるんですからね。私としても大変楽しみです。それから、いのうえさんはきっと文ちゃん(浜中文一)と(木村)了くんにひたすら変なことをやらせたくて仕方がないんだろうな、とも思っています。だって、これがラストなら僕は個人的には「ついに贋鉄斎をやるのかも」と予想していたところ、文ちゃんのあの個性を強く打ち出したキャラクターになるというので。そんな強烈な贋鉄斎が誕生するのなら、そりゃあ勝てないですよ(笑)。加えて、さらにとんでもないことになりそうな木村了くんのあにさがいて。

――あにさもまた、かなり様変わりしそうです。

もう、わけがわからなくなってきた(笑)。初参加組のほうは、まず塩野瑛久さんと藤岡真威人さんの蘭兵衛ダブルキャスト。

――これもまた意外でした。

瑛久くんとは実は以前に共演しているんですけど、ほとんど絡みがなかったので。新感線で再びご一緒できるのが嬉しいです。真威人さんとは初めましてです。どちらかというと骨太な印象の真威人さんと、シャープな瑛久くんが同じ演出でいかに演じ方を変えてくるかというところも注目ですので、お客様はぜひ二人とも、つまり二度観に来ていただけるとより楽しめる作品になるかと思います。

――そういう見方が出来るのも、面白そうです。

また、(片岡)千之助さんが美形で可愛らしくて。(橋本)じゅんさんに始まり木村了くんも『月髑髏』で演じていた、これまで男臭いイメージだった兵庫という役を千之助さんがどう表現されるか、期待しています。“岡山の奇跡”こと桜井日奈子さんは、つまり西日本の方ですから、きっと新感線に合うはずと勝手に思っております。世間的には明るく屈託のないイメージで大活躍されている日奈子さんが、影や憎しみや希望を抱えた沙霧という役をやると果たしてどうなるのか、興味深いですね。ちなみに私は近藤頌利くんとも共演したこと、あります。でも僕の出ていた舞台の日替わりゲストとして頌利くんが登場されていただけだったので、何の会話も出来ていなくて。今回はちゃんとお話をして、仲良くなろうと思っております(笑)。それから、これはみなさんまだあまり気づいていないと思いますが、久しぶりに横山一敏が帰ってきます! 『月髑髏』以来かな、しかもその時も確か久しぶりだったんですよ。昔は毎回のように出ていただいていた横山さん、つまり年齢的には劇団員とたいして変わらないので、おじさんです。ていうか、孫もいるリアルおじいさんです(笑)。だから今回は横さんと武田(浩二)さんとで荒武者隊の年寄り劇団員たちをフォローアップしていただきたいと思っております。

――粟根さんご自身が演じる役についても、語っていただきたいのですが。

今まで河野まさとくん演じる三五と私が演じる渡京は、交代で『髑髏城』に出ていまして。唯一、イレギュラー的に『月髑髏』の時には伊達暁くんに出てもらっていましたが、基本的には僕とサンボちゃん(河野)が交代でやっていた役どころだったんです。それが今回、ついに共演することになりました。なぜか僕と河野くんは対になったり、同じ役をやることが多いんですよ。演技手法が似てるのかと思ったけど、そんなことないのに。嫌味な台詞を吐かせたら、ちょうどいい二人だったんでしょうね。その二人が、ついに共演するということです。

――ということは、お二人のやりとりも新たなシーンになりますね。

確かにそうだけど、さほど変わり映えはしませんよ。そこは、あまり気にしなくていいです(笑)。

――新橋演舞場で『髑髏城の七人』を上演するのも、初めてのことですね。

はい。そもそも1997年の『髑髏城』を観に来た当時の市川染五郎(現・松本幸四郎)さんに大変楽しんでいただけて、それが『阿修羅城の瞳』(2000年、03年)に繋がり、間に『アテルイ』(2002年)が入り。松竹さんと新感線を繋いでいただいて、それが今に至っているわけですから。ついに『髑髏城』が新橋演舞場で上演できるとは、大変エポックなことだと思っています。さらに、長野県での公演はやったことがありますが、長野市での公演は初めてです。そして久しぶりに金沢歌劇座に参りまして、また大阪のフェスティバルホールという4劇場を巡ります。稽古を含めると7ヶ月になる、つまり半年を越えるカンパニーとなりますので、初めましての人たちも多いこの面々が、出会って一つの作品を作り、旅公演を無事に終えるまで見守っていただければありがたいです。特に地方公演はオススメで1月は雪国、信濃の長野市、2月は北陸の金沢市、雪の兼六園っていいですよ~。防寒を整えた上で、ぜひお越しください!

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初めての『髑髏城の七人』は? 当時の感想は?

初演に関しては、大変だった記憶しかないですね。劇団員の車に分乗し九州は阿蘇山でイメージ写真を撮ってポスターを作ったり。本番は、初めてのテント公演で池袋駅前にある噴水の上に蓋をして舞台を組んだのに噴水の水が残っていて遊女役の子がハマって着物ビシャビシャで舞台に出たり。出番が終わって袖にはけた役者がそのまま大道具を動かしていたり。外の音が丸聞こえで、学生たちの「二次会行く人ー!」の声をバックに芝居をしていたり。そのような苦労から生まれた初演版から36年、さて新しい『髑髏城』はどうなりますか、お楽しみに。

PROFILE

粟根まこと(あわね・まこと) 1964年8月7日生まれ 大阪府出身
1985年『ヒデマロ2~銀河烈風斎の逆襲』より劇団☆新感線に参加。冷酷な悪役からインテリジェンス漂う役どころまで多彩なキャラクターを演じ、劇団内外で広く活躍。また、人物の観察力が鋭く、イラストも得意なことから雑誌のコラムなどでもその多彩な一面を見せる。劇団公演以外の近年の主な出演作品に、【舞台】『三大劇作家の世界大冒険』『ベイビーブラフ』(26)、『FOLKER』(25)、『BURAI3-最終章-』『バンピーラダーズ』(24)、『嵐になるまで待って』(23)、『フェイクキラーズ』(22)、『明治座で逆風に帆を張・る!!』『りぼん,うまれかわる』『今日もしんでるあいしてる』(21)、【映画】『大怪獣のあとしまつ』(22)、『恐怖人形』(19)、【ドラマ】『半沢直樹』(TBS・20)、『仮面ライダーウィザード』(EX・13)、『勇者ヨシヒコと悪霊の鍵』(TX・12)、『11人もいる!』(TBS・11)などがある。