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INTERVIEW

OFFICIAL COMMENT

――『髑髏城の七人』経験者の木村さんが読まれてみて感じた、今回の脚本の過去作品との違いとは。

違いより、DNAはそのままなんだなということをまずは感じました。もちろん、中島さんが設定を少し変えてきた部分もありますが、やはり『髑髏城』の場合は大きく変えないほうが絶対にいいと、僕も思っているので。だからベースとしては最初から脈々と受け継がれているものがしっかりと今回もあるので、読んだ時にはやはり「ああ、これも正真正銘の『髑髏城』だ」と思いましたね。ただし、出る人たちが今回はガラッと変わるので。唯一、(早乙女)太一は何度も出ていますけど、蘭兵衛から始まり、天魔王をやり、今回は捨之介ですから。だから読みながらそこも楽しみに思っていました、どんな風に太一が捨之介を作ってくるだろうか、と。天魔王の時みたいに遊べるところはそんなにないと思うので。

――主人公だと、どうしても自由度は狭まりますからね。

そうなんです、真ん中に立つ人が芝居を変えたりすると、周りがみんな戸惑いますから。あと、今回の楽しみはもうひとつあって。僕が前回演じた兵庫役に、初参加の(片岡)千之助さんが入るじゃないですか。兵庫役の辛さ、しんどさを最も知っているのが僕なので。「(小声で)頑張れ……」って思っています(笑)。本当に、あの役はキツイですからね。いのうえさんが、それだけ兵庫のことを大好きってことなんですけど。

――それは身をもって感じましたか。

はい、一体どこまで追い詰めるんだ?ってくらいでしたね(笑)。でも今回は兵庫の周りを固める関八州荒武者隊が劇団員の方たちになるので。そこは安心材料でもありますが、劇団員の皆さんがどこまで動けるのかどうか。だって『月髑髏』(2017~18年)の時はもう、途中からバックステージは野戦病院みたいになっていましたからねえ。千之助さんも大丈夫かな、今、いくつなんですか?

――26歳ですね。

あ、じゃあ、全然大丈夫ですよ! うん、大丈夫……かな(笑)。だって、絡みが多いはずの太一が体力お化けなので。怪我したって何したって「飯食えば治る」って、実際に言ってましたから! 劇団朱雀に僕も出た時、昼の部でちょっとした怪我っぽいことになっちゃって心配してたら「大丈夫、米食えば!」って言って、ホントに夜も普通にやってました。やっぱコイツ、人間じゃないんだ……って思いましたね(笑)。しかも今回は、兄弟揃って出て来るわけで。もしかしたらこの兄弟、『髑髏城の七人 LAST STAND』をやるために生まれてきたのかもしれない!とまで思いますよ。

――これをやるのが運命だったと?(笑)

その可能性、あると思いますよ。とんでもないことになるんじゃないかな、もちろん楽しみな方向でという意味ですけど(笑)。

――中島さんの書かれる作品の魅力に関しては、木村さんはどうお感じになっていますか。

中島さんって、勧善懲悪というものをエンタメとして見事に昇華できる方だと僕は思っているんです。でも『髑髏城の七人』って、その作品群の中ではちょっと異質な存在かもしれません。今は捨之介と天魔王を別々の役者が演じていますけど、当初は一人二役で。初期の、古ちん先輩(古田新太)の時の一人二役の説得力は、本当にすごかった。『風髑髏』(2017年)の時にうちの事務所の松ケン(松山ケンイチ)も一人二役バージョンでやっていて、もちろんあの時もすごく良かったし面白かったんですけどね。今回に限って言えば、二人二役でやるのはきっと中島さん的には、早乙女兄弟の殺陣が見たい、ということも大きいんじゃないかと思ってしまいますけどね。たぶん『髑髏城』のキレの部分を、よりレベルアップさせたいのではないでしょうか。

――殺陣、アクション部分のレベルは格段に上がりそうです。

太一もゆっくん(早乙女友貴)も、ここ数年の新感線のキレ担当を担っているみたいなところがありますからね(笑)。そういう、配役みたいな点でも中島さんは巧いなと思います。配役というか、もともとある『髑髏城の七人』のイメージの中で「この人だったら、こう面白くなるんじゃないか」と想像しながら書き直しているんだろうなと思うので。今回も初見では、初めましての方たちのことはまだわからないですが、太一とかゆっくん、文ちゃん(浜中文一)や劇団員の人たちはすぐにどんなイメージになるかがすぐに浮かんできて。文章で読んでいるのに、その姿がイメージになって勝手に立ち上がってくるんですよ。そこにも、中島さんならではの巧さや面白さが詰まっているように思います。

――木村さんご自身は前回は兵庫でしたが、今回は村平という役名で、つまり“あにさ”に初挑戦するわけですが。

そう、中島さんがどうしても兵庫を経験した人に“あにさ”を演じてほしいと思われて、それで僕の名前を挙げてくれたみたいなんですよね。

――それを聞いて、どう思われましたか、

「へー……そうなんだ」って思いました(笑)。だけど詳しくは言えませんが、そこにもちょっとした設定の変化が足されていたりするので。でも、その裏設定って表現するのが難しそうなんですよね。

――ニュアンスで、出さなければいけないような?

そうなんです。だって今まで通りの“あにさ”で演じたら、そのまま流れていきそうだし。だからどこかで今までとは違うエッセンスを匂わすことをしたりするのかも……? とか言いつつ、結局その辺はまず全部いのうえさんに任せるしかないんですけど(笑)。

――そのいのうえさんから、再びガッツリ演出を受けるにあたって思うことは。

いのうえさんといえば、毎回のことですが本番が始まってからのオーダーの山がすごいんです。本番前に一人一人の楽屋にノートしに来るのがルーティンなんですけど、あれはノートじゃなくて新規オーダーだと思う。『神州無頼街』(2022年)の時も毎日のように「了、あそこってさー」って言いながら楽屋に入ってきて。そのオーダーの嵐に応えるのに日々、必死でした。今回もあるのかな、役柄的にもありそうだな。兵庫よりは、少ないでしょうけど。だからやっぱり兵庫に頑張ってもらわないといけないので、「本当に頑張ってね!」って思っています。

――ぜひ、支えてあげてください(笑)。ちょっとアドバイスするとしたら。

稽古場からトップギアで全力でやるしかない、としか言えません(笑)。

――では、お客様に向けて木村さんからもお誘いメッセージをいただきたいのですが。

今のところ僕は何をすればいいのかわかっていませんけど(笑)、とにかくみなさんのご期待を裏切ることはありませんので! ぜひとも劇場に足を運んでいただきたいと思っております。だけど、新感線の舞台の時はいつも思うんですが、恐怖に感じるくらいの緊張感に襲われるんですよ。なんだか「絶対にしくじれない!」って気持ちになるんです。いのうえさんのオーダーが多いせいかもしれないけど(笑)、観に来てくださるお客さんの期待感が大きいからなのか、客席側からのオーラみたいな圧がまた凄いんですよね。でもそれに負けてはダメで。もちろん今回も、それを上回る気持ちで向き合わないと、と思っています!

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初めての『髑髏城の七人』は? 当時の感想は?

最初に僕が観たのは、古ちん先輩(古田新太)が主演の『アカドクロ』(2004年)でした。やっぱり古ちん先輩の捨之介と天魔王はカッコ良かった、色気もすごくありましたし。殺陣のキレも素晴らしくて、鳥肌が立ちました。あの衝撃はなかなか超えられないです、演じる側としては超えなきゃいけないんですけどね(笑)。DVDで観ていたのに、なんだかものすごく感動しちゃってクライマックスで七人が並ぶシーンで泣いたのを覚えていますから。だから『月髑髏』で自分があの場面で立つ時は「果たしてあの時みたいに立てているだろうか」って、そんなことも思いながら立っていましたね。 

PROFILE

木村 了(きむら・りょう) 1988年9月23日生まれ 東京都出身
2004 年に「ウォーターボーイズ2」(CX)で俳優デビューし、翌年には「ムーンライト・ジェリーフィッシュ」で映画初出演を果たす。以降、映画、ドラマ、舞台と数多くの作品に出演し、実力派俳優として活躍。近年の主な出演作に、【舞台】『リプリー』(26)、『ピローマン』(24)、『幽霊はここにいる』『レオポルトシュタット』(22)、【映画】『メイソウ家族「UMI」』(25)、『六人の嘘つきな大学生』『劇場版 マーダー★ミステリー探偵 班目瑞男の事件簿 鬼灯村伝説 呪いの血』(24)、【ドラマ】『眠狂四郎』(NHK・26)、『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK・25)、『レプリカ 元妻の復讐』(TX・25)、『介護スナックベルサイユ』(CX・25)、『マイ・ワンナイト・ルール』(TX・25)など。劇団☆新感線には『神州無頼街』(22)以来4作目の参加となる。