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INTERVIEW

OFFICIAL COMMENT

――初新感線にして初めての『髑髏城の七人』ということになりますが、現在の率直なお気持ちは?

ものすごく楽しみで仕方がないです。僕自身、劇団☆新感線さんのお芝居を観て、俳優を目指したといってもほぼ過言ではないくらいなんです。

――そんなことを言ってしまっていいんですか(笑)。

本当に、間違いなくきっかけの一つです。そもそも10代の頃は、演劇とか俳優というものに何も興味がなかった少年でした。時を経て、俳優にフォーカスを当てて考えるようになり、本格的に自分はそちら側に行く覚悟をしなければと思うようになった段階で、お芝居の見方が変わっていき。そんな頃に初めて舞台に触れて、それが『髑髏城の七人』だったんです。

――それは、どの『髑髏城』でしたか。

『ワカドクロ』(2011年)ですね。といっても、僕の場合は劇場で観たのではなく、映画館でゲキ×シネとして観たのが最初でした。もちろんその後仕事を始めてから、いろいろ吸収しようと思って舞台にもたくさん行きましたが、あの時ゲキ×シネとして映画館で舞台を観るという体験ができたことは衝撃的でした。舞台を、あのクオリティの映像で観ると、演者のお芝居の仕方が映像作品とは全然違うというところにもすごく惹かれました。お芝居って、こんなにいろいろと種類や演じ方があるんだと知ることができたのも大きかったです。

――そして今回、その舞台に出ることになりました。しかも蘭兵衛役です。

僕の中での目標の一つが達成された!という気持ちです。

――蘭兵衛を、やりたかったんですか?

そうですね。

――では『ワカドクロ』を観た時、特に蘭兵衛に目を奪われていた、と?

はい。早乙女太一さんの蘭兵衛は本当に美しくて。とはいえ、もうとにかく『ワカドクロ』のすべてが僕は大好きだったので、映画館にも3回くらい観に行きましたし、DVDも買いました。僕の中では大変なカルチャーショックだったので、お芝居に触れたことのない地元の友達にも「すごいんだよ。これ!」と言ってまわって、DVDを貸すのではなくて家に呼んでは見せていました。一緒に観ながら解説したりするのが楽しかったんです。ある意味、ちょっと迷惑なオタクムーブをかましていました(笑)。DVDはいまだに、時代劇で殺陣があるお芝居をやるたびに見返したりして参考にしています。

――では、ラストの『髑髏城』に間に合って良かったですね。

本当にそうです。こんなことってあるんだなあと、すごく感慨深いです。

――今回の台本を読んでみて、いかがでしたか。

僕が知っている『髑髏城』そのままの世界観もあれば、ここはこういう設定に今回はなるのかという新しい発見もあったりして。自分は本当に擦り切れるくらい観ていたので、ついつい脳内再生されてしまうところもあるのですが。

――特に今回は『ワカドクロ』がベースになってもいますから。

引っ張られないようにしないとなと思っているところです。今のところはまだ、自分の中でどういった蘭兵衛にしようかという考えは思い浮かんではいないんですが、でもなんとなく僕が早乙女さんの蘭兵衛を見た時の記憶と、活字で今回の台本を読んだ時とでは印象がだいぶ違う気がしています。だから自分のオリジナルなキャラクターが出せそうな予感はあるんですが。でもやはり、よぎるものはあるかもしれないです。

――しかも今回は、捨之介役が太一さんだから目の前にいるかもしれないし。

そうなんですよ。

――それって、どういう心境になるんでしょうね。憧れの存在と戦う、というか。

今は、なんだかもうわからないです。逆に言うと、ずっとやりたかった作品でもあるんですが、こういう形で叶うなんて!と、ちょっと逃げ腰になってしまうほどに環境が整えられた状況での挑戦になるので。しかも早乙女友貴さんまでいらっしゃるんですから、今から既に怖いですよ。

――太一さんとも友貴さんとも、刀を交えることになるわけで。

そうですよね。すごくプレッシャーで、とてもハードで、自分の中の限界を引っ張り出さないとついていけないんじゃないかと不安で押し潰されそうではあるんですけれども。でも、太一さんも友貴さんも、きっと殺陣をする相手側のこともうまく見せてくれたりして、ちゃんとその殺陣が成立するようにやっていただけるんだろうなとも思う。もちろん、それに甘んじずに精一杯頑張るつもりではいますけどね。

――新感線に魅かれるポイントを、改めて挙げていただくとすると。

やはりロック調の曲が流れる中、舞台装置、衣裳が派手に彩っていて、そこに面白い抜きどころ、笑いどころも入れつつ、ケレン味もあって、決めるところは決めるので観ていて気持ちがいいです。また劇団ならではの良さもあるというか、反骨心、アンチテーゼみたいな部分を感じさせてくれるところもすごく好きです。

――今回の座組の顔ぶれについては、どんな印象でしたか。

「めちゃくちゃアクションをやらせるぞ!」という狙いが、プンプン匂っていますよね(笑)。だって太一さんと友貴さんがまずいて、藤岡真威人さんも殺陣ができますし、桜井日奈子さんも、すごくアクションのできる方なので。身体が利く人ばかりですから、そこは自分もちょっと覚悟しないといけないなと思っています。ちなみに今回の座組で一緒にお芝居したことがあるのは、山口馬木也さん、浜中文一さん、桜井日奈子さんと粟根(まこと)さんです。

――藤岡さんとダブルキャストだということに関しては、どんな想いがありますか。

ダブルキャストというのが、そもそも初めてなんです。ですので今は、どういう感じになるのかがまるで未知です。年齢が結構違うので、そこの違いから出せたらいいですし。でも、あまり強く意識しないようにはしようかなと思っています。とにかく蘭兵衛というキャラクターそのもののことを考えることが先決だと思うので。

――では、最後にお客様に向けてお誘いのメッセージなどいただければと思います。

おそらく『髑髏城の七人』を、いのうえさんの演出で上演することが、今回のタイトルにもある通りラストだということなんだと思います。なので『髑髏城』は、もしかしたらしばらく帰ってこないというメッセージが込められているのかもしれません。僕自身がお芝居や俳優さんの見方が変わった作品でもありますし、敷居の少し高い“舞台”というジャンルを好きにさせてくれた第一歩目でもありました。最近は意識して映像を中心にやっていたのですが、そこで僕を知ってくれた方には特に、この機会に劇場でナマの舞台に触れてみていただきたいです。足を運んでも絶対に後悔させない自信はありますので、演劇というものの面白さをこの作品で知ってほしいなと思います。その体験が人生の豊かさにも繋がると思いますし、観て良かった、面白かったと言って帰っていただけるものをお届けできるように頑張ります。ぜひとも、ご来場ください!

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初めての『髑髏城の七人』は? 当時の感想は?

2011年の『ワカドクロ』ですがそれはゲキ×シネだったので、ナマで観たのは7年後のIHIステージアラウンド東京で。『花髑髏』から始まり“花鳥風月”と“Season極”の『修羅天魔』まで、全部観ました。それぞれ良かったですが、強いて選ぶなら『鳥髑髏』。阿部サダヲさんの捨之介が過去の捨之介と全然違うイメージで面白かったし、『ワカドクロ』の時の森山(未來)さんと早乙女さんの組み合わせにシビれていて、『鳥』でもこのコンビが健在だったので。歌もあり、衣裳も演出も派手めで目も楽しかったし。まさに、豪華絢爛でしたね。

PROFILE

塩野瑛久(しおの・あきひさ) 1995年1月3日生まれ 東京都出身
2012年、デビュー。13年『獣電戦隊キョウリュウジャー』に立風館ソウジキョウリュウグリーン役でレギュラー出演を務める。端正な顔立ちで、ミステリアスな空気感も放つ個性的俳優として様々な役に挑戦し活躍の幅を広げ、舞台、映画、ドラマと数多くの作品に出演。24年のNHK大河ドラマ『光る君へ』で演じた一条天皇役が大きな話題を呼んだ。近年の主な出演作に【舞台】『VAMP SHOW ヴァンプショウ』(22)、『「DECADANCE」~太陽の子~』(20)、【映画】『すべて真夜中の恋人たち』『ラブ≠コメディ』『マジカル・シークレット・ツアー』『SAKAMOTO DAYS』『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』(26)、【ドラマ】『告白-25年目の秘密-』(NTV・26)、『未来のムスコ』(TBS・26)、『嘘が嘘で嘘は嘘だ』(CX・26)、『天狗の台所』シリーズ(BS-TBS・26・24・23)、『魔物』(EX・25)などがある。劇団☆新感線には本作が初参加となる。